話は1ヶ月近く前に遡ります。
昨年末。私は日曜大工に励んでおりました。
運営する学習塾の生徒が増えてきたこともあり、学習スペースの確保のために収納棚を作りたいと考えていました。
また、事務スペースと学習スペースはホワイトボードで区切っていたのですが、この際、収納棚をパーテーション代わりにして、明確にスーペースを分けようということになりました。
市販されている大型の収納棚やパーテーションを購入してしまえば済むことなのですが、経済的な余裕もないのでDIYに挑戦することにしました。
以下はその時の様子です。あと、次回作業(新教室開校)のときのための備忘録です。
- 今回のDIYの目的と条件
- 賃貸でのDIYの救世主ディアウォール!!
- 安価な2×4(ツーバイフォー)材は反りに注意
- 木材カット&運搬はホームセンターのサービスを利用
- 材料を事務所に運び込む
- 白木では味気ないので木工用着色ニスで塗装
- パーテーション兼本棚を組み立てる
- 完成後に気がついたディアウォールの要注意事項
- ディアウォールを使ったDIYを終えての感想
今回のDIYの目的と条件
まず、今回のDIYの目的と条件を確認。
目的
- 収納の強化(壁面本棚的なものが欲しい)
- パーテーション・間仕切り壁が欲しい
条件
- 事務所は賃貸のため壁にくぎ打ちなどはできない
- 経済的に余裕はないので材料費は出来るだけ抑えたい
というわけで、間仕切り壁にもなる大型の本棚・収納棚をDIYしました。
賃貸でのDIYの救世主ディアウォール!!
単純に収納を増やすということであれば、IKEAやニトリで売っているような低価格の収納棚を使うのがお手軽です。
しかし、収納したいものの多くは書類の類で、これらは意外と荷重があるのでそれなりの強度が求められます。ある程度の重さのある荷物を載せても歪まない棚板が必要となり、尚且つ安く簡単に仕上げたいので2×4材と1×4材を使うこととしました。
イメージとしては壁面本棚とか壁面収納的なものを作ろうと思ったのですが、耐震性などを考えれば、壁面に本棚を打ち付けてしまえば安全ですし簡単です。
しかし、収納棚を設置する事務所は賃貸物件のため釘やネジを壁に打つことはできません。
如何したものかと考えた末に利用を決めたのがディアウォールです。
これね。
2×4(ツーバイフォー)材を突っ張り棒のように使うことのできる超画期的な便利グッズなんです。
こんな具合で床と天井の間にディアウォールを上下にはめこんだ2×4(ツーバイフォー)材を突っ張らせると、かなり強固な柱ができてしまいます。
写真では2メートル超のかなり長い柱を建てていますが、少し押したくらいではビクともしないくらいシッカリと固定されています。
柱に軽くネジを打って、パイプいすを吊るしてみましたがグラグラしたりはしません。YouTubeなどで紹介動画を探してみると、大人がぶら下がってもグラグラすることもなく、安心して使えそうです。
今回は棚板も板受けも2×4(ツーバイフォー)材を使って作りますが、より手軽にDIYを楽しみたい場合は専用の棚受けセットも販売されています。
また、柱となる2×4(ツーバイフォー)材は床から天井までの高さによって長さが変わりますが、通常2メートルを超える場合が多いです。
そうなると長めの2×4(ツーバイフォー)材が手に入らない、運べないという可能性が出てきます。
そんな場合は2本の2×4(ツーバイフォー)材をつないで使える専用の中間ジョイントもあるそうです。
ディアウォールはホームセンターでも購入可能ですが、店舗によって価格にばらつきがありました。1,000円前後が一般的なようでしたが、Amazonや楽天で購入した方が安かったです。
これらの便利グッズさえあれば壁に傷付けたりや穴などを開けられない賃貸マンションなどでも簡単に柱を建てることが出来ます。その柱を土台に棚をつくり放題、ビス打ち放題!!
まさにDIYの救世主です。
安価な2×4(ツーバイフォー)材は反りに注意
当たり前ですが、ディアウォールを使うには2×4(ツーバイフォー)材が必要です。
ツーバイフォー材が売っている場所と言えばホームセンターです。ホームセンターに行けばコーナンだろうが、カインズだろうが、ケーヨーデイツーだろうが、コメリだろうが、どこであろうと必ず売っています。売っている店はいくらでもありますが、売っていない店なんて見たことがありません。
これらの木材はSPF材とよばれている場合もあります。SPFとは、S=スプルース(トウヒ)・P=パイン(松)・F=ファー(モミ)のことです。どれも松の仲間で白っぽい木材です。そのためホワイトウッドなどと表記されている場合もあります。
さて、どこでも安く手に入る2×4(ツーバイフォー)材はDIYではおなじみですが、通常は180㎝くらいの長さのものが多いです。床と天井の間に突っ張るにはこれでは長さが足りません。
私もジョイントの利用は考えたのですが、強度に不安があるので、2m以上ある長い柱を購入し、それをディアウォールを使って天井と床に突っ張らせました。
ここで注意事項なのですが、2×4材は結構曲がっていたり、反っていたりと癖のある木材が多いので、購入の際はできるだけまっすぐで綺麗なものを選びたいところです。
とくに、2メートルを超えるような長い木材の場合、販売コーナーで立て掛けられていることが多く、こういうものは、かなり歪んでいたりします。曲がっているものを避けるのと同時に、木材をカットする際に、どの位置を切って使うかも大事なポイントになります。
木材カット&運搬はホームセンターのサービスを利用
木材カットは自分でノコギリなり電ノコでやっても良いのですが、結構重労働ですし、真っ直ぐに木材を切るのって案外難しかったりします。
大概のホームセンターでは1カット20~50円位で木材カットのサービスがありますので、このサービスを使って木材を設計図に合わせたサイズに切り合わせておくと作業がとても楽です。
私も今回はディアウォールとセットで使って支柱とする予定の3メートル超の木材4本を2m40cmに、180㎝の木材を棚受け用に30㎝づつに切りそろえてもらいました。
また、購入する木材が多かったり、長かったりすると乗用車では運ぶことが出来ない場合がありますが、こんな時もホームセンターでトラックや軽トラが借りられます。私が利用したホームセンターでは1時間無料でした。
荷物を固定するためのロープなども借りられましたし、車もオートマだったので、マニュアル車に慣れていない人でも安心です。
それから、こちらは有料でしたが、インパクトドライバーや電気のこぎりなどDIYには欠かせないアイテムもレンタルできるようですので、普段DIYには縁のない方でも気軽に挑戦できそうです。
材料を事務所に運び込む
ホームセンターで購入・カットしてもらった木材をパーテーション兼本棚を設置する事務所内に運び込みました。
左は2×4材を30㎝間隔でカットしてもらったもので、棚受けとなります。
右側は棚板となる1×4材です。カットはしていませんので、長さは180㎝ほどあります。この板を3枚づつ棚受けに並べます。多少隙間ができますが、木材が歪んでいるため、ピッタリのサイズで作ろうとすると修正が難しかったりしますので、ゆとりのある設計の方が組み立てが簡単です。
左の太めの木材がパーテーションの支柱となる2×4材です。真っ直ぐなものを選んだつもりなのですが、かなり歪んでいました…
40㎝間隔で棚板を入れていくため、棚受けをネジ止めするための穴をドリルであけてあります。
それから、こちらがこの支柱とセットで使うディアウォールです。
このディアウォールを柱の上下にをはめて天井と床の間に突っ張らせるわけです。片方にだけスプリングが内蔵されています。ばねの入った方を柱の上にセットして、柱を天井に押し付けるようにして垂直に立たせます。
取り付ける場所の天井からの高さから45㎜短くカットしたツーバイフォー材を利用するように商品の使用方法には書かれているのですが、アマゾンのレビューなどには40㎜の方が良いとあったので、それに従い40㎜短くカットしてみました。結果は上記の写真のとおりバッチリでした。
万が一短くし過ぎて長さが合わない場合も、多少の差であればスペーサーが付属しているので心配がありません。
白木では味気ないので木工用着色ニスで塗装
白木のままでも綺麗ではありますが、やはりどこか味気ない。それに汚れも目立ちそうです。
というわけで、木工用の着色ニスで塗装します。
色はライトオーク。明るめの色にしました。
2メートルを超える高さの本棚になるので、シッカリと組み立てた後ですと上部の着色が困難なため、組み立てる前に着色しました。
左のはしご状のものが全部で3つあります。これを床と天井の間に突っ張らせて、その間に右側の棚板を入れていきます。
寒いためかなかなかニスが乾かず、初日の作業はここまでとなりました。
ちなみに、この作業に手こずり過ぎて2016年の最後の日の入りを見逃しました。
2016年最後の夕陽を眺めに「君の名は。」の聖地、立石展望台へ - ヘソで茶をわかす
パーテーション兼本棚を組み立てる
翌日、いよいよ組立です。
…っと、その前に事務所の空気の入れ替えです。
ニスのにおいが充満していました。着色作業の際は換気が必須です。
まずは本棚を設置する場所に支柱をたてます。
両端の支柱はディアウォールで突っ張らせますが、真ん中は棚板を支えるだけです。
支柱の間に取り付けた棚受けに棚板となる1×4材を3枚づつ入れていきます。
一枚づつビスで留めていくのですが、板の反りが酷く留めるのに苦労しました。板の間に隙間を設けるなど、多少余裕のある設計にしたのは正解でした。ピッタリと作るのは至難の業だと思います。
また、中にはこのように釘(?)などが刺さっているような板もあり、購入の際には入念なチェックが必要だなぁとあらためて感じました。
おそらく物流の過程で木材を固定したり、荷を判別するためのタグを付けたりしていたのではないかと思います。2×4材はこういう雑さもあるものだと思って購入・利用する必要があります。
棚板を入れるとこんな感じになります。
このくらいのサイズであれば書類も書籍も何でも入れられますし、多少重いものを乗せてもビクともしません。
しかしこのままでは棚に置いた書類が後ろに落ちてしまうかもしれませんし、オープン過ぎてパーテーションとしては使い物になりません。
そこで有鉤ボードを背板として打ちつけます。
こんな感じです。
室内の空気循環を考慮して、本棚の上部と下部には背板は付けていません。
反対側から見るとこんなです。
パーテーションの奥が事務スペース。手前が授業スペースです。
有鉤ボードにしたのは、フックで色々と引っかけたり便利につかえそうだからです。
完成後に気がついたディアウォールの要注意事項
パーテーション兼本棚が完成した後、何気なくディアウォールの説明書きを見たんですよ。そしてたら、思いもよらぬ落とし穴(?)を発見してしまいました。
ええ。普通は使う前によく読むべきなんですけどね。だけど、あるでしょ?使った後にじっくりと読んだら「えぇ!?ウソでしょ!!」みたいなことって。
私の場合はコレです。
間仕切りを目的としての使用はできません。
マジかよ…
間仕切り。つまりはパーテーション。
この使い方は拙かったか?
しかし、とりあえずグラグラもせず、倒れるようなこともなさそう。
おそらく、ここで言う間仕切り(パーテーション)とは、今回の本棚のようなある程度厚みのあるものでは無く、一枚板の間仕切り(パーテーション)の事だろうと思います。
確かに一枚の板の両端に柱を付けただけのものでは、少し柱がずれただけでもパーテーションが倒れてしまうでしょうし、安全性に疑問があります。
ですが、今回の場合、四隅に柱が建っているため、これが斜めにずれることはありませんので、間仕切りが倒れてくるようなことはありません。
もちろん、この使用上の注意を読む限りでは安全が保障された使い方とは言えませんので、似たようなものを作られる場合は設計に十分注意したうえで、自己責任でお願いします。
ディアウォールを使ったDIYを終えての感想
思いのほかしっかりとしたものが出来たので個人的には大満足です。とにかく、重たい書類を乗せてもビクともしないところがお気に入りです。
ちなみに材料費は全部で2万円程です。
横幅2メートル、高さ2メートルほどの収納棚で、重量物を乗せても大丈夫なものを準備しようとすれば安くても倍はかかるでしょう。それを思えば多少大変な思いもしましたが、苦労のし甲斐があったというものです。
なによりも、自分で作った物ですから愛着も湧きますし、使い勝手も民生品よりずっと良いです。
反省点もあります。
ネジ穴はドリルで開けたのですが、インパクトドライバを持っていなかったため通常のドライバーで全てネジ止めしました。これはかなりシンドイ作業でした。大型の家具を作るのであればインパクトドライバを必須アイテムです。
こういう奴ですねこういう奴ですね。バッテリー式のものが使いやすいと思います。次のDIYまでに私も購入する予定です。もう掌にマメつくるの嫌です。
それから、ネジ穴を空けるために使ったドリルの刃は100円ショップのものを使ったのですが、よく折れます。スペアを買っておくなり、折れないように良い刃を使うなりしましょう。
ディアウォール&2×4材でのDIYは、思ったよりもずっと手軽で楽しかったです。
次は自宅のキッチンの収納でも作ってみようかと思っています。
では、また。