小中学生らもの長い長い夏休みも気がつけば後半戦。そろそろ夏休みの宿題が気になってくるころです。なかでも本人はもちろん父ちゃん、母ちゃんを困らせるのが「自由研究」。
子供の自由研究に付き合って貴重な休日をまるまる失う世のお父さんたちの悲鳴が聞こえてきたような気がした(幻聴)ので、子供とワイワイと楽しみながら勉強になりそうなネタを投下したいと思います。
手作りの器具でつくる炭酸飲料
以下の炭酸水のつくり方は以前に割と流行った作り方なので、「そんなもん知ってるわ!」って方も多いかと思いますし、そもそも最近では炭酸飲料を手軽に作れる商品も多いです。
こういうやつね。一昔前は結構高かった印象ですが、最近のものは一万円台からありますから、単純に炭酸飲料を作るだけなら、こういうのがおススメです。
以下の方法は「自分で作る」ってことに意義を感じられる人にのみおススメします。ホームセンターで手に入るもので器具を作る工作とチョッとした実験チックな作成方法は自由研究には持って来いだと思います。
重曹とクエン酸で作る炭酸水
百円ショップなどでも手に入る重曹とクエン酸。これらがこの実験(?)の主役。
この二つを同量程度混ぜて水を加えると、ブクブクと気体が発生します。発生しているのは二酸化炭素。炭酸水の中の泡です。そう、じつはこの二つを水に溶かすと炭酸水が作れるのです。
1杯3円!自家製・飲む炭酸水の作り方(クエン酸×重曹) - 痩せTECH(ヤセテク)
ただし、少し問題があります。
中学の理科でイオンとか中和とかってありましたよね。水素イオンを含む酸性の水溶液と水酸化イオンを含むアルカリ性の水溶液を混ぜると、水素イオンと水酸化イオンが水になり中和され、副産物として塩(えん)が出来るって奴です。
まさにこの反応が起きていて、この作り方の場合、ちょっとしょっぱくなるんです。
それからですね。直接飲むということになると、上記のような重曹やクエン酸だとチョッと不安ですよね。掃除用って書いてありますから。
ではどうするのか?
こんな器具を作って、発生した二酸化炭素だけを別の水に溶かしていきます。
手製です。簡単に作れるのでご安心ください。
炭酸水製造機(?)のつくり方と使い方
上の器具は私が数年前に作った物です。ホームセンターでも手に入るパーツで、子供でも簡単に作れます。
ペットボトルキャップにカプラを取り付ける
ホームセンターでこんなエアパーツを買い、右のパーツをペットボトルのキャップに穴をあけて固定します。
マイクロカプラは種類によって使用するチューブの外径が変わるのでチューブの購入の際にはお気御付け下さい。
マイクロカプラを使うと、このようにキャップとチューブを簡単に取り外すことが可能です。カプラを外すとキャップ側が止弁になっているため空気が漏れることもありません。
このようなキャップを2セット作っておきましょう。
カプラ付きキャップとペットボトルの使い方
炭酸飲料のペットボトルを2本用意します。一本は上記のように炭酸水となる水を入れ、もう一方には二酸化炭素を発生させるための重曹とクエン酸を入れます。
どちらも高い圧力がかかりますから、絶対に炭酸飲料のペットボトルを使用してください。通常のものだと破裂する恐れがあります。
ちなみに上記のキャップは下方にチューブが伸びていますが、付けなくても問題ありません。炭酸水になる側にはこのようにチューブを付けて水の中まで伸ばしておくと、発生した二酸化炭素が送り込まれる様子が分かりやすく、実験(観察)が盛り上がります。
もう一方のペットボトルにはこのように重曹とクエン酸を同量程度入れて混ぜておきます。撮影用に多めに入れていますが、このサイズのペットボトルであれば5グラムづつ位で良いです。
ここに水を加えると二酸化炭素が発生します。
直ぐにキャップをしてガスが逃げないようにしましょう。キャップを閉めたら、先ほどのマイクロカプラをキャップにブスリと刺せば、発生した気体は器具を通ってもう一方の水を入れたペットボトルへと送られます。
左で発生した二酸化炭素が、右の水へと送られています。
ペットボトル内の変化を観察する
この時、左のペットボトル内では二酸化炭素が発生する化学変化が起きているのですが、化学変化というと教科書などでは「使い捨てカイロ」を例にすることが多く、「熱を発生するもの」とのイメージが強いです。
ですが、このときペットボトルは熱を発生せず、逆に冷たくなっています。
ガスが送られると直ぐに水の入ったペットボトルは内圧が高まりパンパンに張り、カチカチに硬くなります。二酸化炭素はそのままではあまり水に溶けませんから、水に触れる面を増やすためにペットボトルを振りましょう。ですから、ペットボトルいっぱいに水を入れてはいけません。3分の2位にしましょう。
こうすると二酸化炭素が水に溶け、カチカチだったペットボトルが柔らかくなります。通常、これだけでも圧力の変化は確認できるのですが、下のようなメーターを取り付けておくと一層変化が分かりやすく、楽しいです。
先ほど同様にペットボトルを振って二酸化炭素を溶かせば圧力が下がります。繰り返し溶かして0.3~0.4くらいで安定させると丁度良い刺激(コーラ位)の、0.2位で微炭酸の炭酸水になります。
子供と作る際には、「0.5越えると爆発の恐れがあるんだよな…(嘘)」とかいうと、子供は必至でペットボトルを振り、非常に盛り上がります。(学習塾で実証済み)
このメーターは付けなくても構いません。付ける場合は三つ又ソケットを使って2本のペットボトルに繋がるチューブの中間点に付けてください。
完成後の注意
ある程度二酸化炭素を溶かしたら、ペットボトルからカプラを外して、ガスの供給を止めるわけですが、この際、カプラを取り外す順番に注意してください。
炭酸水が出来上がるころには圧力も高まっていますので、炭酸水側ではなく、重曹&クエン酸側のカプラから外してしまうと、炭酸水が逆流し勢いよく吹き出します。
こんな感じですね。
二酸化炭素を観察するためにチューブを伸ばしていなければ問題ありませんが、チューブが水に入っている場合は、写真のように炭酸水が逆流し、折角作った物が台無しになります。
上記動画がとても参考になりますので、実際にやってみるという方はご覧ください。
水以外の飲み物を炭酸飲料にする
二酸化炭素は当然のことながら水以外の液体にも溶けます。
というわけで、ジュースやお茶などを炭酸飲料にして飲んでみるのも楽しいです。
私は今回、これを炭酸飲料化してみました。
最近、コイツの原液を見つけていらいドハマリしています。
そのままの容器では圧力で破裂する恐れがあるので、別のペットボトルに移します。
同じように炭酸化していきます。
ちなみに、水以外のものを炭酸化した場合、酸味と苦味が強調される傾向があります。以前にアセロラジュースを炭酸化した際には苦いやら酸っぱいやらで飲めたものではありませんでした。
今回はその失敗を回避するために、微炭酸くらいの刺激になるように調整しました。
ん~ ちょっと分かりづらい…
口の中でパチパチと柔らかく弾ける感じが丁度良かったです。味にはさほど変化はみられませんでした。
お子様の自由研究にいかがでしょう
どうせやるなら、どうせ手伝うなら親も楽しみながらできたほうが良いですよね。
一日頑張って自由研究に付き合ったら、作った炭酸水でチューハイなんてどうですか?
当ブログでは他にも自由研究で使えそうなネタを以前にも扱っています。
いずれも「何の意味があるの?」と言われそうな内容です。こんなことしなくても普通に買えばいいものですし、作るにしても最近では便利なものがあります。
でも、自分で作ることに意味があるんです。やってみると楽しいですよ。発酵の仕組みが何となく理解できます。あくまで何となくです。
まぁ、この二つは季節的に痛みそうで怖いですが…
息子が出来たら、毎週のようにこんな悪戯めいたことを一緒にやりたいと思っているのだけれど、息子が出来るどころか、一向に嫁が出来る気配すらない…
では、また。
※上記の器具を作成するために使ったもの一覧
ペットボトルに取り付けます。2つ必要
上記のカプラとセット。器具の本体側。これも2つ必要
カプラやメーターを取り付ける
メーターを付ける際にチューブの分岐用
圧力計。なくても問題ないが、あった方が楽しい。
圧力計にチューブを繋ぐために