全国2000万人の土鍋ファンの皆様、お待たせいたしました。先週末の土鍋ヨーグルトに続き、あえて、必要性も実用性も感じないのに無理やり土鍋を使う、土鍋料理の時間がやってまいりました。
はてなブックマークで土鍋プリンに言及がありましたが、残念、違います。そんな、ありがちな内容で満足するほどはてなの住民はヌルくないことはわかっています。
お題「鍋といえば」と言われれば、普通はアツアツの鍋料理について書くものだろうが、このお題を目にしたとき、私の頭にはまずこれが浮かんでしまった。
それは納豆。
そう、あのネバネバの、臭い、外国人がしかめっ面するあれだ。
昨日のヨーグルト同様に土鍋で作る納豆、その名も「土鍋納豆(そのまんま)」について、今日は書いていきたいと思います。
準備するもの
以下のものを準備してください。
- 土鍋
- 湯たんぽ
- 新聞紙
- タオルケット
- 市販の納豆1パック
- 大豆
以上です。
先週の土鍋ヨーグルトと基本は同じです。
作り方
1.大豆を煮る
納豆にする大豆を煮ます。指でつまんでつぶせるくらいの硬さになるまで煮ましょう。硬いままだと上手く発酵しません。
いきなり火にかけると豆が割れますので、水に浸した状態で放置し、十分給水させてから煮るのがポイントです。
2.土鍋で湯を沸かす
ヨーグルト同様、温度管理・温度維持が納豆づくりのポイントです。納豆を作る土鍋を十分に温めるため、水を入れて火にかけましょう。また、これは消毒も兼ねますので、ふたをした状態でしっかりと沸騰させてください。
煮え立っています。写真はやりすぎの図です…
3.湯たんぽの準備
ヨーグルトの時と同様に、土鍋に湯たんぽを抱かせた状態で保温します。アツアツの湯たんぽを準備してください。ここまでのポイントは1~3の準備がほぼ同時に終わるようにすることです。
4.大豆を土鍋に移す
大豆が煮えたら、アツアツのうちにザルで湯切りをし、お湯を捨てた土鍋に移します。ヨーグルトの時のようにぬるくする必要はありません。というか、ぬるいのはNGです。土鍋も大豆もアツアツのうちにやってください。
5.納豆(種菌)を投入
市販の納豆を1パック土鍋のアツアツの大豆の中に投入し、軽く混ぜてください。シッカリやる必要はないです。むしろ、温度が下がるのでやめてください。さっと混ぜるのがポイント。
ヨーグルト菌と違い、納豆菌は高温でも死にません。
6.蓋をして、湯たんぽを抱かせ、新聞・タオルケットなどで保温
ヨーグルトの時と同様に湯たんぽと土鍋を新聞やタオルケットで包み保温します。空気が遮断されると菌が呼吸できずに死滅しますので、やりすぎには注意してください。
大きめの発泡スチロールや段ボールの中に入れて、隙間に新聞を詰めるとかなり長い間保温できます。ただし、発泡スチロールを使う場合はふたは乗せるだけにしましょう。しっかり蓋をすると空気が通りません。
ヨーグルトの時と同じです。アツアツの湯たんぽと土鍋を重ね、新聞・タオルケットで包みます。
7.1日放置して完成
あとは1日(24時間ほど)放置しておけば完成です。もしかしたらもう少し早く作れるかもしれませんが、自分の場合、会社から帰ってきて、前の晩に仕込んだ納豆を確認するというサイクルで作っているので、こういう表記になります。
何度かやってみましたが、一晩では発酵時間が足りないようです。
鍋の温度維持のために、できるだけ暖かい部屋に置いておきましょう。
作り方のポイント
1.消毒
ヨーグルトと同様です。雑菌が入れば腐敗します。発酵時間が長い分、ヨーグルトよりも腐敗の危険性は高いと言えます。ですので、必ず土鍋で湯を沸かして消毒しましょう。
2.温度管理
ヨーグルトのような微妙な温度管理は求められないので、そこは楽です。ただし、保温時間は長いですから、そこは環境に合わせて工夫が必要です。とにかく高温(40~80℃)を長い時間維持してください。
冬場など寒いときはこのように発泡スチロールを使うと長時間の保温がしやすいです。
3.材料のチョイス
市販されている普通の大豆だと、チョッと納豆にするには大きすぎるかもしれません。
今回、私はすずまるという小粒の豆を使っています。大きな普通の大豆で作る場合、ひきわりなどにすると食べやすいし、美味しいです。
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作った後の注意点
1.辛子とダシ醤油は必須
最近のパック納豆にはダシ醤油が入っているのが当たり前になり、普段からダシの味に慣れてしまったせいか、普通の醤油で食べてもイマイチ美味しく感じられません。自家製納豆を食べる際はめんつゆなどのダシ醤油は必須アイテムです。
2.出来立ての土鍋のふたを開ける時は覚悟が必要
強烈な匂いがします。発酵の度合いにもよりますが、喰い物の匂いとは思えないほどの匂いです。
市販の納豆って食べやすいように工夫されているんだろうねぇ。きっと、思い出しますよ。昔食べていた、納豆の匂いを。
土鍋納豆の出来栄えを確認
さて、今回の納豆は上手くできているか?
良いですねぇ。発酵もしています。ただ、もう少し寝かせても良かったかもしれません。冬場は発酵時間を少し長めにとった方が良さそうです。
色の濃いものは種菌としていれた市販のパック納豆です。食べても問題はないです。
ちゃんと糸もひきますよ。ネバネバです。
しかし、独身生活でこの量は作りすぎです… 500mlのタッパーいっぱいになりました。ブログネタのために久しぶりに作りましたが、後のことを考えていなかった。いったい、何食分の納豆を作ったのだろうか。
しばらくは毎日納豆食べることになりそうです。
そもそも、どうしてこんなものを作ったのか?
もう、だいぶ昔の話になりますがフジテレビ系列の情報番組で「発掘!あるある大事典」というのがありました。同番組は健康によい食材を紹介することで有名で、当時、日本テレビ系で放送中だったみのもんた司会の情報番組「午後は○○おもいッきりテレビ」と並んで主婦層への影響力がかなり大きく、番組内で紹介された健康食材がバカ売れし、街の店舗では品薄状態がたびたび引き起こされていた。ヨーグルトやら豆腐やらが突如姿を消す怪現象を記憶しておられる方も多いのではないでしょうか。
そんな番組がある日の放送で納豆がダイエットに効果的であるという趣旨の紹介をしました。
当然バカみたいに納豆が売れる。当時からTVをあまり見ていなかった私はそんなことになっているなど露にも思わず、いつものように朝食用の納豆を買おうと売り場に行くと納豆が一つもない。別の店に行っても状況は同じ。そして、それが結構長い期間続いた。
別になくても困りはしないのですが、ないと思えば欲しくなるのが人情というもの。「腹いっぱい納豆ご飯が食べたい。」という思いが日に日に大きくなり、ついに、「売っていないなら作ってしまえ。」ということでこの作り方を考案しました。
ちなみに、この騒動ともいえるあるある大事典からの納豆ブームですが、結局、番組内で紹介された情報がねつ造だったり、やらせがあったことが発覚したため急速に萎んでいきました。
急激な需要増加に合わせてメーカー各社が増産体制に入った矢先の問題発覚でした。そのため、それまでどこに行っても売っていなかった納豆が、山のように並び、とんでもない安値になっていました。
たしか、このあたりから番組の過去のねつ造ややらせが表面化し、番組は打ち切りへと向かっていったと記憶していますが、今思えば、フジテレビの凋落もここがスタートだったのではないでしょうか。
視聴者を舐め切た行動が、納豆の糸のごとく、こうまでも後をひくことになるとは何とも皮肉なものです。
では、また。
※後日談書きました