先日、下社の木落し坂について書きましたので、今日は上社の木落し坂についてです。
TVなどで御柱祭はだいぶ人気にはなりましたが、取り扱われるのが下社の木落しの方が多いのと、まぁ、やはり迫力の差でしょうか、印象に残りにくいようで、観光ガイドの際に上社にも木落しがあると話すと驚かれることが多いです。
でも、上社の木落しだって凄いんですよ。そして、実際に見に来られるなら、こちらの方がおススメです。
ということで、上社の木落しと、何故、こちらの木落しをおススメするかを書いていきます。
まずはおさらい
下社の木落しの説明でも書いてありますので、もう良いという人は次から読んでください。
御柱祭では樅(もみ)の巨木を奥山から切り出し、社の四隅に建てるのですが、その巨木を山から引き出す「山出し祭(御柱年の4月開催)」と引き出した巨木を里で曳行する「里曳き祭(御柱年の5月開催)」を行います。
このうち山出し祭の曳行中に木落坂と呼ばれる急坂で御柱を曳き落とすのが、山出し祭最大の見せ場である木落しです。
このお祭りは諏訪大社の上社と下社でそれぞれ行われます。
上社木落し坂
上社の木落し坂は茅野駅から徒歩10分ほどのところにあります。下社の木落し坂のように山中にあるのではなく、市街地のすぐ近くにあるのです。
昔は何もない丘でしたが、現在は公園として整備されており、駐車場やトイレもあります。
公園化されていますので、案内が丁寧です。看板のすぐそばには木落しの際にせり出す柱を落ちないようにとどめる追掛け綱の固定柱があります。
この柱と御柱を結び、ピーンと張った状態の追掛け綱を斧で切ると御柱が坂の下へと滑り落ちるわけです。
坂の最上部へ行くと、下社同様に注意書きがあります。
言われなくても… という感じですが、書いておかないと後で色々メンドクサイんでしょうね。下を覗き込むと、
下社の木落し坂ほどではないものの、かなり急で長い坂です。巨木に乗って滑り落ちることを考えると、やっぱり怖いです。
坂の下へと向かう道はやっぱり急です。公園ですので東屋やベンチもおかれています。
途中、気になる看板を見つけました。
先ほど、立ち入り禁止と注意喚起があったはずですが、最上部からでなければOKということでしょうか。
というか、ソリ遊び!?
え!?ここで? 良いの? というか大丈夫なの?
これはチョッとやってみたいなぁ。
なぜ上社の木落しをおススメするのか
観覧するのであれば、木落しというか山出し祭は上社の方がビギナー向けだと思います。勘違いしないでください。どっちの方が面白いとか、そういう話ではないです。
下社の木落しは本当にすごい迫力です。近くで見られる機会があるのならば、これは是非見ていただきたいです。ただし、それなりの準備が必要になるということを忘れずに見に来てください。
というのも、下社の木落しの行われる場所は市街地からは遠いです。また、道もとても狭く、1本道です。そのため、どうしても人の流れがスムーズには行かず、目的地まで到達できない、帰ることができない、ということになりかねないのです。また、近くまでは行けても、狭い場所に観覧者が殺到しますので、木落しを見られる場所を確保できない場合があります。
お祭りに参加する氏子も道が混み合う前に、朝早くから現地に向かいます。途中からこれに合流するのはとても大変です。また、帰ろうにも下から次々と人が押し寄せますので、これも困難です。
(※有料観覧チケットが必要となりました。)
それに対して上社の木落しの場合、駅の近くですから歩いて見に行けます。この気軽さは下社の木落しとは比べ物になりません。また、山中で行われる下社と違い、近くまで行けばどこからでも観覧できます。これも観覧可能ポイントが絞られている下社との違いです。
そして、そんな開けた場所で行われますので、出店なども多く、木落しのみならず、お祭り自体を十分に楽しめると思います。
それから、これが一番重要なのですが、木落しを観覧後、御柱について行けば、木落しと並ぶ御柱の見どころである川越しを見ることができるからです。
これについては後日また書きますが、これも大迫力で見ごたえがあります。
御柱祭で特に盛り上がる二つの難所を1日で見ることができる上社の山出し祭は御柱観覧のビギナーにはもってこいだと思います。存分に御柱祭りの雰囲気を味わってください。
また、道も歩きやすいですし、駅が近いので交通の便も良いのもポイント高いと思います。
以上、下社の氏子hesochaが送る、上社の木落しのヨイショ・レポートでした。
では、また。
※追記
2016年の木落の様子です。