出オチというやつでしょうか。アイキャッチ画像で言いたいことの8割くらいは言えてしまっている感じがしますが、今日はこの写真に至るまでの話をします。
話は4か月前に遡ります。
私は迫りくる入試に向けて、休みなく働いていました。そして、いよいよ入試が目前に迫り、この忙しい生活も終わりが見えてくると、「頑張ってきた自分に対してご褒美を」と考えるようになりました。
そんな時、目に留まったのが「飯ごうプリン」です。
「お~、コレはいい。これ喰ってみたい。」
そう思いポチろうとした瞬間でした。
いつもの持病が…
飯ごうプリン、自分で作ってみたい
そんなわけで、入試が終わると直ぐにプリンの型とするための飯ごうを購入。
届いたその日のうちにプリン制作に着手しました。
しかし、これがなかなか満足したものにならない。
ここから自分へのご褒美という当初の目的を忘れ、次第にプリン沼へとハマっていくことになるのです…
それは苦渋と後悔に満ちた、ちょっぴり甘い物語。
プリン制作用に購入した飯ごう
まずは購入した飯ごうの紹介です。
さすがにプリンの型としてのみ使うのも馬鹿馬鹿しいので、プリン制作後にはアウトドアで使えるように使い勝手を吟味しました。
ご飯を炊くだけであれば既にトランギア製のメスティンなど、幾つかのクッカーを買い揃えてありますから、何か特徴のあるものを購入したいところです。
検討の結果購入したのがこちらの飯ごうです。
イタリア軍だか、ドイツ軍だかが使っている飯ごうのレプリカだそうです。実際にミリタリーショップなどには同じような格好の飯ごう(本物)が2倍位の値段で売られていました。
なぜこの飯ごうを選んだかといえば、飯ごうの内蓋が通常のものよりも深いことが一番の理由です。
かなり深みがあり500mlの水が入ります。
これだけのサイズならばご飯を炊きながら、こちらでもう一品作るなんてこともできそうです。例えばお味噌汁を作ったり、レトルト食品を温めたりすれば調理の手間も省けますし、熱源が限られるアウトドアシーンでは重宝しそうです。
蓋にも取っ手が付いており、フライパンのように使うことも出来そうです。
中国製のレプリカということもあり、仕上がりには多少雑さが残りますが、一般的な民生品としてはまずまずの出来ではないでしょうか。購入者のレビューなどによると、どうやら本物よりも薄いようですが、本物の軍用品と比べても仕方のないことです。
プリン作り
プリンには大きく分けて二通りの作り方があります。
まずは熱で卵を固めて作る方法。本来のプリンの作り方です。
もう一方は冷やしてゼラチンで固める方法です。プリン味のゼリーと言ったほうが正しいのかもしれません。
お店で食べるプリンは前者、スーパーやコンビニで購入できるのが後者といった印象です。
どちらも美味しいし好きなのですが、今回は前者の卵を熱で固めて作るプリンを想定して飯盒を購入しています。
飯盒には少量の水を入れ、上皿にプリン液を流し込んで加熱する。茶碗蒸しの要領で、蒸してプリンを作ろうという計画です。
実は似たようなことを、同じような時期に昨年もチャレンジしています。
このときはメスティンとラージメスティンを使って蒸し焼きにしています。作り方は基本的に同じですが、今回は一つのクッカーで調理が完結するので格段に楽をできそうです。
また、この調理に成功したならば、ご飯を炊きながら茶碗蒸しを作るなど、色々と他の調理にも応用が効きそうです。
蒸しプリン
そんなわけでプリンを作っていきます。
プリンの材料は以下のとおりです。
- 卵L 2個
- 砂糖 50g
- 牛乳 250cc
- バニラエッセンス 少々
これで大体500mlのプリン液になります。
これらを混ぜてプリン液を作り、水の入った飯ごうの上皿に入れて火にかけます。
20分ほど蒸せばプリンが固まります。
しばらく置いて蒸気がおさまったら完成です。
このまま食べてもよいのですが、プリンと言えばやっぱり「プッチン」ですよね。
このプリンに関して言えばプッチンするものなんてアリはしないのですが、ともかく、皿にひっくり返して食べましょう。
緩くてプッチンが上手くいきません… 崩れてしまいました。
ただ、見た目は悪いですが、美味しかったです。カラメルソースも作って見ましたが、なかなか美味いのですが、プリンのサイズに量が合っていませんでした。
反省点も多いものの、味は合格点。のど越しも滑らかでシッカリとプリンしています。
しかし、だ。
私は思わず言ってしまったよ。
「軟弱者!」
これはチョット違うよな。プリンが軟弱すぎる。
バケツプリンなどでもよくあることですが、プリンが大きくなると自重に耐えきれず自壊してしまいます。
これではイケナイ。作っている者はこんなだらしないプリンの姿など想定はしていなくて、自立した、角の立っプリンを想像しながらプリンを作っている。
私もそうだ。
私はそびえ建つような飯ごうプリンが食べたい。
冷やしプリンにも挑戦
熱で固める場合、プリンの硬さは卵の量によって調整されます。熱で固まる卵が多ければ、それだけ形を維持しやすくなります。
しかし、卵を入れすぎれば、それはもはやプリンではなく卵焼きであって、私が食べたいものとは別物になってしまう。
ならば熱で固める通常のプリンは一旦あきらめ、冷やして固めるゼラチンタイプのプリンで作ってみようと思う。
こちらはプリン液の中に溶かすゼラチンの量を増やせば良いだけなので、プリンらしい味を守りつつ、形を維持できるのではないだろうか。
そんなわけで冷やしプリンを作ってみた。ゼラチンは通常の倍入っている。これならばプリンも自立してくれるだろう。
だいぶマシになったのではないだろうか。
自立しようというプリンの意気込みを感じられる。
味も良くてプリンとしては十分に合格点が出せるだろう。
しかし…
まだだ、まだ、終わらんよ。
この程度で満足など出来ようはずがない。私が求めているのは自立したそびえ建つ飯盒プリン。別の方法を考えよう。
エバーミルク(無糖練乳)で硬いプリンが作れるらしい
「どうしたもんかなぁ?」と考えていた頃、ツイッター界隈でエバーミルクで硬いプリンが作れると話題になっていました。
なるほど。エバーミルクね。
エバーミルクってのはざっくりと言ってしまえば牛乳の水分を飛ばしたもの。水分が少ない(=タンパク質の割合が高い)のであればプリンが固くなるの道理です。
しかし、早速作ってみようと思いお店に探しに行ったのですが、エバーミルクも無糖練乳も店頭では見当たりませんでした。いちごにつけて食べたりする加糖練乳で作ることも考えたのですが、カロリーが怖いのでやめました。
ネットで買うことも考えたのですが、どうやらエバーミルクって牛乳から自分で作ることもできるみたいです。
電子レンジで牛乳を加熱して作ってみました。
ちなみに、エバーミルク(無糖練乳)はAmazonや楽天でならば購入可能でした。ただ、意外とお高い感じですね。
角の立った硬いプリン
作り方は最初のプリンと同じ。だた、牛乳を同量のエバーミルクに変えただけ。
果たして、本当に硬いプリンが作れるのか?
蒸気がおさまったところで、ひっくり返して皿に出してみました。
見せてもらおうか。無糖練乳の実力とやらを。
こっ、これは!
まさしく思い描いていた硬いプリン!!
素晴らしい。
味も良い。普段のプリンよりも弾力があり、喰い応えがありました。
ただ、上皿の容積から熱して固めるプリンはこの飯ごうではこのサイズが限界。
これでは全然そびえ立っていない。
こうなってくると、エバーミルクを使った冷やしたプリンも作ってみたくなる。果たしてどのような仕上がりになるのか。
エバーミルクを使えば固まりやすいことも分かったので、味と食感を重視してゼラチンも通常の分量で作ります。
で、作った結果がこれだ。
そびえ建つ飯盒プリン。使用したプリン液は1.5リットル。圧巻のスケールである。
高さも図ってみた。
その高さ8.5㎝。
カラメルソースをかけていただくが、まるで滝のようである。
さすがに一人で食うのは無理なので、切り分けて生徒ら6名で食べました。
プリンを切り分けるってのも、初めての経験だし、なんだかムズムズする日本語ではある。
どうだろう。切ってみると切断面もシッカリと角がたっている。まさに自立したプリンである。最初に出会った軟弱なプリンの姿はすでにそこにはなく、堂々たる風格を漂わせている。
これこそが私の求めていた、そびえ立つ飯ごうプリンだ。
味もやはり良い。冷やしたプリンは暑くなりはじめる初夏には特に美味しく感じられます。
それに大人数でワイワイと言いながら、こういうのを食べるのって楽しいですよね。
生徒も「美味しい!」と大喜びで食べていました。
喜んでいました。ええ。喜んでいましたよ…
最初のうちは…
先にも書きましたが、エバーミルクで作ったプリンは通常のプリンよりも水分が少なくその分だけ喰い応えがあります。
これが腹にたまる…
通常のプリンの倍くらい腹にたまる感じがします。
育ち盛り、食べ盛りの生徒をもってしても、途中で飽きるには十分すぎる量でした。
作ってみたい、買ってみたいという人は、エバーミルクと牛乳の比率を変えるとか、食べる人数を増やすとかしててください。
反省と感想
サクサクとプリンを作って3月中にはアップするつもりだったのですが、こんなにも時間がかかってしまいました。
それというのも、一度につくるプリンの量が多すぎ、プリン好きの私もさすがに短期間に何度も作って食べるのはシンドかったので、結構長めに間隔をとってプリンを作ったためです。
最後に作ったプリンが1.5リットル。それ以外の3つもそれぞれ500ミリリットルのビッグサイズ。
作るたびに、そして食べるたびに「しばらくプリンは食べたくない」と思いながら、それでも数週間でそんなこともケロッと忘れてプリンを作る。そんな生活でした。
それにしても、プリンって本当に美味しくて奥が深いですね。プリンの特化サイトでも作ってみようかな。
それと、こうして記事にして改めて思う。
何やってんだ、俺…
そんなわけで終わります。
では、また。