すこし前に話題になった人気ブログのマンガの一コマ。
(【はてなブログ漫画】敵襲!ワードプレス軍団が攻めてきた!立ち上がれ はてな学園 - たい焼き親子は空飛ぶ夢をみる)
この良い死に顔の彼の名はしんま。彼もまた人気のはてなブロガーです。
数々の投資を試みるも軒並み損切りする羽目にあうという凶運の持ち主で、上記の一コマにあるガチャガチャもそんな投資の一つです。そして、今や彼の代名詞ともなりました。
さて、そんなしんま氏のガチャガチャネタ。当初から注目しており、ガチャビジネス自体も面白そうだと思い、彼の運用を参考にして自分もやってみようかなどとも考えていました。
ところが、彼の記事を読み続けていたのですが、どうも最近ではガチャの設置場所が見つからず暗礁に乗り上げた感があります。
さすがしんま氏。損切りブロガーの名は伊達じゃない!!
しかし困りました…
これでは自分が運用する前にしんま氏を人柱とする の運用を参考にするという当初の計画を見直す必要があります。
もうこうなってはしょうがない。とりあえず買ってみようじゃないか。
というワケで、以下はガチャガチャ(マシン本体の方)の購入レポートと、カプセルトイビジネスに興味のある方、興味はないけれど既に商売をされている方に向けた提案です。
ガチャガチャ購入
まぁ、まずは私が購入したガチャガチャを見てもらいましょう。
こちらです。
良いじゃないか。
生徒、狂喜w pic.twitter.com/5pf2RslY4E— hesocha@井の中 (@hesocha_twi) 2017年3月25日
「生徒、狂喜」というのは運営する学習塾内で利用中だからです。どのような使い方をしているかは後述します。
上記のしんま氏が購入したような最近流行のものではなく、昔懐かしのタイプで、さらに硬貨ではなく、専用のメダルをつかうタイプのものです。
私のようなオッサン世代的にはガチャガチャと言えばこんな感じです。そんでもって、中身はもちろんキンケシ。よく駄菓子屋の入り口で回しましたよね?
懐かしいからというのも購入の理由ですが、最近のものとこちらのタイプと両方とも自分で回してみた結果、こちらの方がより「回した感」が味わえたのでこちらにしました。後述しますが、私にとって、この「回した感」は非常に重要なのです。
ガチャガチャの細部を確認
みなさん、ガチャガチャの内部ってみたことありますか?
チョッと興味あるでしょ?
ガチャガチャ上部
私の購入した昔懐かしいタイプのガチャガチャは上部にカギがついています。
蓋となっている屋根の中央に鍵穴があり、付属のカギで開けることが出来ます。
カギはシリンダーのもので、思っていたよりもずっとシッカリとしたカギでした。
筐体がプラスチックなので、バールのようなもので粉砕するような荒っぽい手口で狙われては致し方ありませんが、カギを不正に開錠して中身を盗むようなことはそう簡単には出来なさそうです。
ガチャ内部(カプセルを入れておく部分)
これも想像していた以上に単純な作りです。
中央の軸は先ほどのシリンダー錠と繋がります。その軸の周りに円形の枠があり、さらにその中に半楕円状のスペースが5つあります。
写真でも確認できますが、円形の枠の下部が歯車になっていて、コインを入れてレバーをガチャガチャ回すと、それに合わせて楕円スペース分だけ円形の枠が回ります。
右側中央に穴がありますが、そこからカプセルが落ちていきます。つまり、穴の一つ手前のスペース、この写真だと中央手前にあるスペースに入っているカプセルが次に落ちるわけです。
ですので、ある程度カプセルを入れておかないと、次に落ちるカプセルが見えてしまいます。トイカプセルビジネスをするのであれば、カプセルの補充のタイミングが重要になりそうです。
メダル受け
カプセルを入れているケースを持ち上げると、その下にメダルの収納スペースがあります。
重箱のように2段に置かれているだけなので、簡単に上部のカプセル部分を外せます。
コレも非常に簡単なつくりです。メダルの投入口のすぐ下にメダル受けのプラスチックのケースがありました。
何枚かメダルを入れて回してみた後の様子なのですが、結構ケースから外れて外に落ちていました。まぁ、特段問題はないでしょうが。
この黒いプラスティックのケースははめ込み式で、簡単に前後左右には動かないようにはなっていますが、上方に引っ張ると取り外せます。
ケース側面
ケース側面はこのように上方に引っ張れば、いずれの面も取り外せるようになっています。
背面は白い透過性のないプラスチック、前面は透明なプラスチックが2枚重ねになっていています。
2枚のプラスチックの間に内容物の広告などを挟むようになっています。
レバー
この懐かしのガチャガチャレバー。これが良くって、この古めかしい形状のガチャガチャを購入しました。
メダル投入口にメダルを乗せて、あとはレバーをガチャ、ガチャ。
この単純すぎるフォルムが「ガチャガチャ回したぜ!!」感を生み出します。
取り出し口
カプセルがあちこちに散乱したりすると面倒なので、取り出し口にはカバーのついているものを選びました。
カバーを右にスライドさせてカプセルを取り出します。
スライドカバーはスプリング式で、手を離せば自動で閉まります。
ガチャガチャマシーンの作りは実にシンプルでした。これだけ単純なつくりであれば、万が一故障しても自分で何とかなりそうです。
どんな風に使っているか
カプセルトイビジネスと言えば、人の集まる場所にある程度の数のガチャガチャマシンを並べて行うのがセオリーですが、私はそのような使い方はしていません。
田舎ですから、そんなにたくさんの人が集まるような場所はありませんし、しんま氏が営業活動で苦戦されているように、他人様の店舗前などに置いてもらうとなると色々と大変です。
それに、そもそもの問題として、私の購入したガチャガチャは硬貨ではなく専用のメダルを使用するものですから、そういった使い方はできません。
じゃぁ、どうやって使っているの?って話が次の話です。
ご褒美ガチャ
私はこのガチャガチャを自身の運営している学習塾の教室内に設置しています。
ザックリと説明すると、生徒へのご褒美としてガチャを回せるようにしてあります。
中身には通常のトイカプセル向けの商品ではなく、粉末ドリンクやキャンディー、チョコレートなどのアソートを入れています。
こんな感じです。子供向けの甘めのものを多めに入れてあります。
これをもらった生徒らは授業の合間や、自習の際に飲食しては「やっぱり糖分補給すると勉強捗るよね」とか生意気を言っています。
ガチャのゲーム性を高めるために、当りのカプセルも準備しました。当りカプセルは生徒に希望をとり、チョッと高めのお菓子orその引換券を入れたり、通常の景品と一緒にガチャメダルを入れておいて、もう一度回せるようにしてあります。
これはメダルを入れたタイプの当たりカプセル(写真はイメージ)です。
いっしょにメッセージカードや占いなどを入れても面白いかもしれませんね。
求めたのはガチャガチャのゲーム性
学習塾で生徒に指導するにあたり、ひとつ信念というか方針があります。それは宿題を課さない(強制しない)ことです。
私、勉強大嫌いでしたし、宿題も大嫌いでした。宿題を課されても、とりあえず嫌々ノートを埋める、空欄を埋めるだけで、全然勉強をした実感がありませんでした。言うなれば作業、いや、苦行。
やればやるほど勉強嫌いに拍車がかかっていたような気がします。イケハヤじゃないけれど、こんな勉強は全然ワクワクしないんですよ。
そのため、私は自分の教え子に同じ思いはさせたくないと考え、保護者から依頼されない限りは宿題は課してきませんでした。
ただ、そうは言っても、「ここだけは絶対に暗記させたい!!」ってものもありますから、これを如何にストレスなく学習させるかに苦心してきました。
そこでこのガチャガチャの登場なわけです。
授業前の小テストにゲーム性が加味され、競い合うように「ミッション」と称する自作のプリントを勉強しています。「ガチャガチャ回したぜ!!」感にこだわったのも、このゲーム性を重視してのことです。
小学生や中1・2年生あたりをメインターゲットに据えて開始した試みですが、一番ハマっているのは高校生です。英単語帳のキクタンをバリバリ暗記しており、今月購入したBasicを既に半分暗記済みです。
あるべき教育の姿とかどうでも良いから
エサで釣るなとか、人参ぶら下げるなとか言われそうですし、「そんなのは本物の教育じゃない。邪道だ!!」とか怒られそうです。
現に同業者ではこういった思考の方は非常に多いように思います。
でもさぁ、じゃぁ、本物の教育って何なのさ?
別に良いじゃないですか。生徒も喜ぶ、それで成績も上がるというなら。
高尚な目標を掲げるところに限って、「このままでは受かりませんよ。もっと授業をとりましょう。」的なガメツイことやっていたりするものです。
なんだよ、中2の期別講習で20万円って…
最近他所の塾からウチに移ってきた生徒の保護者から聴いて呆れました。ウチ、年間費用だってそこまでいきませんよ。
もちろん商売だから、そういうのもアリなのかもしれないけれど、私はこの仕事で大儲けしようなんて思いません。 細く長くノンビリと続けて行ければそれが最高だと思っています。
そんな私にとって、今回のガチャガチャ導入という試みは、今のところ大成功といえるでしょう。
カプセルの中身は平均すれば原価は20円前後のものです。そのたった20円で生徒が楽しみながら勝手に勉強してくれる。
結果、生徒の成績は上がり、私も生徒をやる気にさせる手間が減る。おまけに教室の生徒も増える。生徒が自分から学習する時間が増えますから、保護者も授業数を増やす必要もありません。
みんなハッピーなわけです。
カプセルトイ販売自体で儲けるよりも販促などで利用
しんま氏のように都会住まいの方はカプセルトイそれ自体で利益を出していくことも容易かもしれませんが、人口の少ない田舎では余程立地に恵まれていないと、カプセルトイ自体で大きく利益を出していくのは難しいような気がします。
ですが、今回の私のように既に行っている商売にアクセントとしてガチャガチャを取り入れたり、販促として利用していけば可能性はグッと広がるような気がします。
例えば、私のような学習塾であれば、学校の近くで広告用のアメニティーグッズの手配りしたりしますが、教室のロゴの入ったメダル(独自デザインのメダルの作成が可能)をチラシと一緒に配り、「体験授業でガチャを回そう!!」とかやったら面白いかもしれません。
飲食店なども相性が良さそうに思えます。お子様ランチって、景品がついているもの多いですよね。あの景品の代わりにメダルを提供するのです。料理と一緒に手渡しても良いですが、前もってプレゼントしても良いかもしれません。子供にとって、料理が出てくるまでの待ち時間は結構長く感じますから。
カプセルに景品と一緒に次回割引券などを入れるのもアリですよね。
それから病院などにおいても面白そうです。
「注射がまんできたねぇ。エライエライ。」「毎日ちゃんとお薬飲めたね。」「きちんと歯磨きできてるね。」って感じでご褒美に出したりするのはどうでしょう。
多少は子供の病院嫌いとかも緩和されませんかね?無理?そんな甘いもんじゃない?
中身よりもガチャを回すのが楽しみ
試みにガチャを置いて1ヶ月になりますが色々と様子も分かってきました。
当初、ガチャの中身は何が良いかとだいぶ悩んだのですが、子供にとっては中身の景品もさることながら、ガチャガチャを回すという行為自体が楽しいようです。
実はこのガチャを購入した際、手違いがあってカプセルのみ到着が遅れてしまいました。
するとガチャを心待ちにしていた生徒らが、「カプセルは要らないから、とにかくガチャを回させてくれ」と空のガチャガチャを回し始めました。
ただただメダルを投入してレバーを回し続けるだけですよ。傍から見ていたら何が楽しいのかサッパリわかりませんが、本人らは実に満足気でした。
スマホゲームのガチャの中毒性が問題視されていますが、実物のガチャにも中毒性があるようです。
それから、私の教室ではガチャを導入する以前からご褒美制度がありました。
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ガチャガチャを回すのを嫌がる生徒もいるかもしれないと思い、従来通りの自分で選べるご褒美もそのままにしてあるのですが、こちらはあまり人気がありません。
こちらからドリンクを選ぶ生徒も、教室内に他に生徒がいなければガチャガチャを回しています。なんでも、ガチャガチャは回したいけれど、学校でのクールなイメージを壊したくないので、他の生徒がいるときはカッコつけているそうです。可愛いもんですw
可能性は無限大
「回すだけで楽しい。」何ていうのは子供に限ったことかもしれませんが、大人だって、ガチャガチャなんておいてあれば気にはなります。
カプセルトイを販促アイテムやイベントアイテムとして見た場合、いくらでも可能性は広がります。非常に魅力的というか、ワクワクするアイテムだと思います。
カプセルの中身も、ガチャガチャの運用方法も、全て自由に考えられますし、今ある商売にどのように組み合わせていくのか、すべてはオーナーのアイデア次第です。
自販機のようにレンタルだったり高価だったりしませんから、万が一上手くいかなくても大したダメージにはなりません。
何よりも、ガチャガチャを通して、お客様とのコミュニケーションが深まる(可能性がある)のが良いところです。
先ほどのクールな生徒の例もそうですが、ワイワイと楽しんでいるときって、緊張感とか警戒感が解けるので、意外な一面や本音が分かって非常に貴重な瞬間だと思います。
以上、ガチャガチャマスィ~ン購入レポートでした。
では、また。
本体はこちらで購入しました。
カプセルトイはこちらも品ぞろえが豊富です。